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SNSマーケティングとは?5つの活用手法と事例

SNSマーケティングとはその名の通り、SNS(TwitterやInstagramなど)を活用してマーケティングのことをいいます。

企業のTwitterやInstagramを運用するだけがSNSマーケティングではありません。SNS広告、インフルエンサーマーケティング、口コミなど、企業や商品・サービスの認知を高め、ユーザーの心理・行動を促すことで企業の売り上げに繋げることをSNSマーケティングといいます。「SNSマーケティングとは聞くけれど、どういう手法なのか」「具体的になにからはじめたらいいのかイメージが湧かない」といった方におすすめです。

ぜひお役立てください。

目次

SNSマーケティングとは?

SNSマーケティングとは、TwitterやInstagramなどのSNSを活用して行うマーケティングのことをいいます。しかし、企業のTwitterやInstagramを運用することだけがSNSマーケティングではありません。SNS広告、インフルエンサーマーケティング、口コミなど、企業や商品・サービスの認知を高め、ユーザーの心理・行動を促すことで企業の売り上げに繋げることをSNSマーケティングといいます。

主な手法は5つ挙げられます。

 

  1. SNSのアカウント運用
  2. SNS広告
  3. インフルエンサーマーケティング
  4. SNSキャンペーン
  5. ソーシャルリスニング

 

こちらの手法は後ほど事例とともに解説いたします。

まだSNSマーケティングが企業にとってどのようなメリットや効果を得られるのか、そして売り上げに繋がるとイメージがわかない方もいるでしょう。このあと1つ1つ解説してまいります。

SNSマーケティングがなぜ注目されているのか 

SNSマーケティングが注目されているのかをデータとともに解説していきます。

SNSのユーザー数と利用時間が増えている

SNSマーケティングが注目されている理由として、SNSの利用率と利用時間が増えていることが挙げられます。以下は、2020年に総務省が発表したソーシャルネットワーキングサービスの利用状況とネット利用項目別利用時間を年代別に示したデータです。

【令和元年度】ソーシャルネットワーキングサービスの利用状況(個人)

出典:総務省|令和元年通信利用動向調査
調査時期:2019年12月
対象地域:全国

【令和元年度】[平日]ネット利用事項別利用時間(前年代・年代別)

出典:総務省|令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査
調査期間:2020年1月14日~1月19日
対象地域:全国125地点
調査対象:13~69歳までの男女
回答人数:1500名

SNSの利用率は、全世代において増えていることがわかります。「SNS利用は若い世代」というイメージがあるかもしれませんが、高齢者の利用率も増えていることもわかります。

SNSの利用時間は、他のネット利用項目に比べて多くなっています。前年度の調査と比べても20代・30代はSNSの利用時間が増えています。利用時間について20代は、「ソーシャルメディアを読む・書く」時間が1位、30代も「メールを読む・書く」に次いで第2位の長さになっています。

調査データから、SNSの利用率と利用時間が増加しており、マーケティングに活用しない手はないのです。

消費者の情報検索方法が変化している

これまでインターネットユーザーは、調べたいことがあればGoogleやYahoo!などで検索を行うことが一般的でした。しかし、SNSユーザーは検索エンジンからではなく、SNS内で検索をします。以下は、LIDDELL株式会社が18歳~22歳の日本人男女100人を対象にアンケート調査を行った結果です。

【2016年】[最近検索によく使うのはどれ?どんな時にそれを使う?]

出典:PRTIMES(2016年2月9日)|LIDDELL株式会社
調査主体:みんなのクラウド教室調べ
調査時期:2016年2月1日~6日
調査対象:18~22歳の日本人男女
回答人数:100名

調査結果から、検索エンジンよりもSNS内から検索しているという事がわかります。SEO対策やリスティング広告のみに頼るのではなく、SNS対策も重要と考えられ、従来のマーケティング手法とは変わりつつあります。

SNSが購買に影響を与えている

”TwitterやInstagramにて友人が「ここのお店美味しかった」と投稿したお店に行ったことがある。” ”SNSにて好きな著名人が実際に使用している商品をみて、実際に商品を購入した。” このような経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか?以下は、SNSで見た商品やサービスの購入意欲と実際の購入率のデータです。

【2019年】SNSで見た商品やサービスの購入意向と実際の購入率
出典:SNSの利用実態に関する調査|クロス・マーケティング|マーケティング・リサーチ会社
調査手法:インターネットリサーチ
調査地域:全国47都道府県
対象期間:2019年6月28日~2019年6月30日
調査対象:15~69歳(中学生を除く)男女、下記SNSのうち1つ以上を普段から利用している対象者Twitter/Facebook/Instagram/LINE(企業から来るメッセージやタイムライン)/mixi/TikTok/ピンタレスト/Linkedin
回答人数:4374名

出典:SNSで目にした商品、半数は購入に至る「SNSの利用実態に関する調査」|AMP|株式会社電通パブリックリレーションズ

調査結果から、Twitter、Instagram、LINEで見た商品やサービスに興味を抱いた人の半数近くが購買にまで至っています。従来のマーケティング手法は、コンバージョンに繋げるために、検索エンジン向けにキーワード設定を行い、リスティング広告などの施策を行えばよいものでした。しかし、SNSの普及によるさまざまな変化から、コンバージョンに至る経路が変わりつつあります。今後のマーケティングにSNSが欠かせない存在ということがわかります。

SNSマーケティングの3つのメリット

SNSマーケティングを行うにあたってどんなメリットがあるのか解説していきます。

①たくさんのユーザーに届けられる

マーケティングにSNSを活用するメリットはなんと言っても情報拡散力にあります。

従来、ユーザーは企業が届けたい情報を受け取るだけでしたが、SNSの登場により、受け取った情報を拡散するのが当たり前になってきています。SNSでの話題がテレビで取り上げられ、それがまた話題になり、SNSにて拡散されます。つまり、1対nではなく、n対nで情報が拡散されるので、企業発信ではできないユーザー発信による自然な形で情報をたくさんのユーザーに届けることができます。

②コストを抑えながら情報を拡散できる

マーケティングにおいてのお悩みにもあがりやすい、コストについてもメリットがあります。従来の、テレビCMや、オフライン広告(雑誌や看板)の高額な広告費に比べるとSNSはコストを大幅に抑えることができます。SNS投稿のコンテンツ次第では、コストをかけなくとも自然と情報が拡散されるのがSNSマーケティングのメリットともいえるでしょう。

③検索エンジンの指名検索を増やすことができる

前章でもお話したように、消費者の情報検索方法が変化しつつあることや、Webの競争率が高くなっていることから、従来のリスティング広告やSEO対策だけでは企業が届けたい情報を届けることが難しくなっています。しかし、SNSで投稿される口コミではどうでしょうか。友達がおすすめしていた化粧品、知人がおすすめしていたお店、企業ではなく友達・知人の口コミ(情報)は届きやすいといえます。このように企業からではなくユーザーから発生する口コミをUGCと呼びます。SNSにてUGCが増えると認知度が上がり、検索エンジンからの指名検索が増える傾向にあります。「ランチ 新宿」のような一般検索よりも、店舗名を入力して指名検索をする方が圧倒的に売り上げにつながりやすいです。さらに競争率が高いリスティング広告やSEO対策の戦いを回避することができるのもメリットです。

主なソーシャルメディアの特性

各ソーシャルメディアによって特徴や、ユーザー数・年齢層、強みが異なります。SNSマーケティングを行うにあたり、どのソーシャルメディアが自社にマッチしているのか判断しなければなりません。

各ソーシャルメディアの特徴と強みを解説していきます。

Twitter

メイン配信 短いテキスト
月間アクティブユーザー数 4500万人
年齢層 10代~20代が多い

出典:総務省|令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

 

Twitterを利用している年齢層は、10代~20代が一番多く、次に30代、そして40代~50代の順に人気のSNSです。

リアルな友人だけの繋がりだけでなく、趣味嗜好、同じ職種などで繋がりをもっている方もいます。テキスト制限があり最大140文字までのツイート(投稿)や、ツイートに対してリプライ(返信)が気軽にできるという特徴から、企業がユーザーへ一方的な情報発信をするのではなく、ユーザーと近い距離感で相互のコミュニケーションがとれ、商品・サービスの改善、ファン獲得、企業のブランディング、知名度アップを目的に活用している企業も多く見受けられます。「今」この瞬間の話題やトレンド情報をキャッチでき、リツイートにより「バズる」という爆発的な拡散が生まれる強みをもったSNSです。拡散力に強みをもっているため、拡散機能であるリツイートを狙ったコンテンツやキャンペーンにより、コストを抑えつつ、同じ考えや趣味嗜好、行動をもったユーザーに届けられます。

Instagram

メイン配信 画像・動画
月間アクティブユーザー数 3300万人
年齢層 10代~20代が多い

出典:総務省|令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

 

Instagramを利用している年齢層は、10代~20代が1番多く、次いで30代が多く、男女比は女性が多いですが、男性の比率も増えており男女ともに人気なSNSです。

ビジュアルを意識した投稿で注目を集める「インスタ映え」という言葉が生まれ、ハッシュタグをつける投稿が多く、ハッシュタグから検索して情報収集を行えるのもInstagramの特徴です。ポイントは、ターゲットに好まれるビジュアルを意識し、ハッシュタグをつけ、実際に商品・サービスを使う想像を膨らませるような投稿をすることです。また、Instagramはインスタグラマーなどインフルエンサーの影響力を活用し、数万人~数百万人のフォロワーへ企業PRを行う「インフルエンサーマーケティング」を行うこともできます。ビジュアルでPRできる商品・サービス、特に飲食、ホテルなどの観光業界、ファッション・コスメ、ECサイトなどはビジュアルとコンテンツの相性が良く、ユーザーの心理・行動に直接影響を与えやすい情報を届けることができます。

Facebook

メイン配信 長いテキスト
月間アクティブユーザー数 2600万人
年齢層 30代が多い

出典:総務省|令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

 

Facebookを利用している年齢層は、30代が一番多く、次いで40代と50代と、InstagramやTwitterと違い30代から50代の利用が多いです。

実名登録制という点から、オフラインのリアルな友人や仕事関係者などのビジネスのつながりを意識している傾向にあります。

Facebookでは、仕事、趣味、関心・興味など細かいターゲティングや特定のユーザーのみが参加するグループ機能があり、〇〇市などの地域限定グループや、キャンプや釣りなど趣味嗜好グループ、ユーザー同士が濃いつながりを持っているのが特徴です。Facebookでの投稿は、シェアはもちろんですが、「いいね!」やコメントのアクションにより、シェアをされなくともユーザーの友人に拡散・表示されるため、似た趣味嗜好やビジネス関係など、特定のコミュニティ内でサービス・商品の認知向上が期待できます。

LINE

メイン配信 連絡・コミュニケーション
月間アクティブユーザー数 8300万人
年齢層 10代〜20代が多い

出典:総務省|令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

 

LINEを利用している年齢層は、10代~20代が最も多いですが、30代~50代以上においても利用している方も多く、幅広く利用されているSNSです。

ユーザーの母数が多いため、アカウントの運用や広告配信をするのに高いポテンシャルをもっているといえます。LINEのアカウント運用はBtoC向けのイメージが強い傾向にありますが、BtoB企業でもLINEを使った取り組みが進んでいます。LINEはトーク一覧画面やLINEニュース、タイムラインへ広告を配信できることに加え、「チャット」機能があることで他のSNSとは違うPRが可能です。一度利用してくれたターゲットに、新サービス・商品やコンテンツの配信、反応があれば詳細を提供するなど、顧客を離れさせない情報を届けることができる点が強みといえるでしょう。

TikTok

メイン配信 ショー動画
月間アクティブユーザー数 950万人
年齢層 10代〜20代が多い

出典:総務省|令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

 

TikTokは、ショートムービーをBGMに合わせて配信するSNSです。

オリジナル音源、オリジナルダンス、オリジナルチャレンジなど、オリジナルから流行を生み出すことができ、訴求力の高い動画を配信できるのが特徴です。広告配信により、音源・ダンス・チャレンジ企画など様々な方向から拡散の可能性を秘めているのがTikTokです。流行に敏感な利用者が多く、10代~20代のZ世代をターゲットに活用すると良いでしょう。

YouTube

メイン配信 動画
月間アクティブユーザー数 6200万人
年齢層 10代〜20代が多い

出典:総務省|令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

 

YouTubeの普及により若い年齢層でテレビ離れが起きているほど、最も人気な動画配信のプラットフォームです。YouTubeの利用年齢層は、10代~20代が1番多く、次いで30代~40代となっています。

YouTubeにて多くのファンを集めるYouTuberは、他のSNSよりもインフルエンサーとして強い影響力をもっています。Google社傘下のサービスのため、ビックデータを活用し広告を配信することが可能です。テレビ離れが進む中、YouTubeは縦型動画広告の配信が開始するなど多様化され、今後は活用場面が増えることが考えられます。

Pinterest

メイン配信 画像
月間アクティブユーザー数 870万人
年齢層 34歳から54歳が約半数

出典:【2021年5月更新】主要ソーシャルメディアのユーザー数まとめ|UNIAD|株式会社ユニアド

 

Pinterest(ピンタレスト)とは、好みの画像を収集することができるとして近年注目されています。ユーザーの利用目的は、画像を収集すること、収集してカテゴリーごとに分け、自分のボードをつくりシェアすることができます。他のユーザーのボードをフォローする機能もあり、自分のタイムラインにフォローしたボードの画像が表示されるようになります。

ポイントは、同じビジュアルメインのInstagramと違い、テキスト機能はなく、シンプルに画像のみのSNSです。また、ユーザーの年齢層がInstagramは10代~20代ですが、Pinterestは34歳~54歳と年齢層が上がります。ビジュアルによる訴求に特化しているといえ、ファッション、観光、食品などの業界は良さをダイレクトに届けられます。ECサイトとの連携やアナリティクスの提携もされているので、PDCAを回すことが可能です。月間アクティブユーザー数も多く、PDCAを回せることから、今後新たなSNSとして活用するのに良いかもしれません。

SNSマーケティングを取り入れる5つの手法と事例

前章では、主なソーシャルメディアの特性をそれぞれ解説してきました。

では実際にどのような手法でSNSマーケティングを行うのか、それぞれ事例とともに解説していきます。

 

①SNSのアカウント運用

SNSに企業の公式アカウントを設置し、運用することをいいます。

自社サイトの情報やサービスについて、ブランド、商品などの情報を届けます。アカウントを運用して写真や動画など魅力的な情報を届けるということで、サイトへ直接訪れたり広告をしなくともユーザーへ、イメージの構築・ブランディング・認知度をあげることが可能です。それだけではなく、アカウントを通して興味を持ってもらえた場合、検索エンジンからの指名検索を増やすことにもつながり、ホームページやECサイトなど新たな入り口で集客を行えます。

公式サイトやリリースからの情報発信は、企業→ユーザーの一方向ですが、SNSのアカウント運用は企業とユーザーの双方になるのが特徴です。ユーザーとの接点を増やすことでファン獲得が行えるのはアカウント運用の大きなメリットです。

 

【Instagram】アカウント運用の事例①花王アタック(公式)

出典:花王のアタックInstagram公式アカウント

花王株式会社のアタック公式Instagramは、UGCの発生を狙った投稿をメインに運用しています。

ハッシュタグ「#アタックのある暮らし」という独自のハッシュタグを設け、アタックに関するUGCを募集しています。ハッシュタグをつけて投稿したユーザーの写真を紹介するなど、商品を主体としたアカウント運用をしています。UGCを募ることで広告感を感じにくく、商品と親しみやすくなるため、リピートや商品のファン獲得が行えています。

 

【Twitter】アカウント運用の事例②Netflix Japan Anime

出典:NetflixジャパンアニメTwitter公式アカウント

Netflix Japanのアニメ公式Twitterアカウントは、夏休みに観たいアニメ、お笑いの日に笑えるアニメのピックアップなど、ネットフリックスで配信しているアニメの紹介をメインに運用しています。

一見、文字化けのように見えますが、よく読んで見るとしっかりと文章になっているのがわかります。広告作品の世界観を文章で表すなど、ただ情報を届けるのではなく、アカウントを通してフォローしたくなる工夫、ツイートを読んでもらう工夫が感じられ、ユーザーの目を引きます。

②SNS広告

それぞれSNSには独自の広告サービスが設けられています。

SNSごとの特性を活かした、ユーザーへの興味関心を高めやすい広告を配信することができるのが特徴です。細かいセグメントも可能で、性別、年齢、地域、興味、趣味、仕事など詳細なターゲティングができ、より精度高く、届けたい情報を届けたいユーザーへ配信できるのがメリットです。予算や期間の設定も自由度が高いため、少額や短期間集中など、目的に合わせて設定できるのもメリットです。細かい設定ができるので、しっかりとペルソナを設定すれば、コストを抑えつつ大きな費用対効果を期待できるのがSNS広告です。

 

【Twitter】SNS広告の事例①株式会社サマリー

参考:コミカルなキャラクターと一期一会の心がけで好感度アップ!トランクルーム・サービス業界でのTwitter広告活用術Twitter Japan株式会社
参考:サマリーポケットTwitter公式アカウント

倉庫業の老舗「寺田倉庫」と協業し手がける手軽な保管サービスアプリ「サマリーポケット」の広告事例です。

ユーザーにサービスを知ってもらうことを目的としており、ユーザーの生活の中に溶け込んだメディアであることからTwitterを選択しています。

株式会社サマリーは、テキストやクリエイティブは使い回しをせずにTwitter広告専用のものを用意しています。さらに著名人を起用した広告コンテンツでは、コンテンツ内容のPDCAを回すことで獲得単価が抑えられるようになっていき、SNS広告の効果を得られています。著名人が新サービスを試した様子を紹介する広告配信では、一度目は著名人の知名度が高いためクリック率は高かったものの、コンバージョンになかなか繋がりませんでした。そこで二度目は、著名人が1年間使ってみた感想・満足しているポイントを中心に紹介したところ、クリック数とともにコンバージョン率もかなり高くなり、効果を出しています。

 

【TikTok】SNS広告の事例②株式会社バルクオム

参考:美容意識の高いユーザーが多いTikTokでCV獲得が増加!【メンズスキンケアブランド バルクオム】|TikTok For Business|バイトダンス株式会社

株式会社バルクオムは、メンズスキンケアブランド「BULK HOMME」の新規顧客獲得を目的に、美意識が高まるZ世代など若い年代のユーザーが多いTikTokを活用しています。「TikTokではユーザーに対していかに早く、的確に、訴求したい内容を見せるかが大事」と捉えるこで、しっかり新規顧客を獲得できています。クリエイティブの冒頭1秒を削り、ユーザーに早くメインの訴求内容を見せ、広告効果を得ています。また広告配信の設定では、18歳以上の男性をターゲットにし、配信時間も獲得率が高まる夜の時間帯に設定しています。「無料プレゼントに応募しなかったユーザーに再度広告を見せても反応が取れない」という仮説を立て、LPを一度訪れたユーザーは広告配信から除外するという、新規顧客獲得において細かい設定も行なっています 。

 

③インフルエンサーマーケティングとアンバサダーマーケティング

3つ目の手法は、SNSを活用したインフルエンサーマーケティングとアンバサダーマーケティングです。どちらも、インフルエンサーやアンバサダーが、商品やサービスの口コミをSNS上で魅力的に発信します。企業が発信する情報よりも、インフルエンサーやアンバサダーは1人の消費者として情報を発信するため、広告感なく情報を届けられます。

次に違いについてです。インフルエンサーマーケティングは、認知の「量」を重視した手法です。SNSなどにおいて、「ユーザー自身のファン」が多いため、強い影響を与えることができます。商品・サービスのPRに起用すれば、ユーザーの多くのファンに届けたい情報をインフルエンサーの率直な感想とともに届けられるのが強みです。

対してアンバサダーマーケティングは、認知の「質」を重視した手法です。アンバサダーは、商品やブランドに対して強い関心をもち、口コミなどを積極的に情報を届ける熱量がある企業から任命されたユーザーのため、インフルエンサーとは違い、必ずしも多くのファンを保有、有名である必要がありません。よりユーザーに近い立場であるアンバサダーの投稿になるので、とても質の良いUGCの一種であり、企業アカウントの投稿よりも共感を得られやすいというのが強みです。

 

【YouTube】インフルエンサーマーケティングの事例:イオントップバリュ株式会社

参考:イオントップバリュ株式会社の事例|UUUM株式会社  

ギリシャヨーグルトのインフルエンサーを起用してPRした事例です。YouTuberという強い影響力を持ちながらも、一般目線でレビューしてもらうことで、「量」だけでなく情報の伝わり方の「質」まで意識したPR方法です。

YouTubeのインフルエンサーは、何百万人という多くのファンにわかりやすく動画で認知やイメージ構築をはかれることが強みです。実感レベルでの商品の濃厚な質感や美味しさをわかりやすく視聴者に伝えることができることに加え、カレー粉や味噌と混ぜて野菜のディップにするというような意外性と商品の多様性を伝えることもできています。

 

【Instagram】アンバサダーマーケティングの事例:RIZAPグループ株式会社

出典:ayumi_rizappさんInstagramアカウント

ライザップ公式アンバサダーを務めるayumi_rizappさんのInstagramでは、トレーニング内容やライザップトレーニングにより変化した身体のビフォーアフターを公開しています。フォロワーは2000人(2021年8月)ですが、ライザップでトレーニングすることで、好きな服が着れるようになったことや、痩せることで夢が叶ったことを投稿することで、企業アカウントの投稿よりも共感を得られやすく、より宣伝感なくPRができています。

④SNSキャンペーン

SNS上にて、ユーザー参加型の認知や集客を高める手法です。

ユーザーはイベントに参加したことで、イベントに参加して結果どうだったかの感想を投稿をし、その投稿を見た他のユーザーが影響を受け商品・サービスを利用する可能性が期待できる効果があります。

ここでポイントなのが、

 

  1. UGCの発生を増やす企画にする
  2. 万人が喜ぶ企画ではなく、自社のファンになってくれそうな層に向けた企画にする

 

という点です。UGCの発生を増やすことをポイントに企画を考えられれば、広告や拡散に費用を費やさなくとも、ユーザーがUGCを作って企業のキャンペーンを宣伝してくれます。

では、事例をみてみましょう。

 

【Twitter】SNSキャンペーンの事例①:キリンビール

出典:ツイッターおにごっこキャンペーン|キリンホールディングス株式会社

キリンビールによるTwitterのハッシュタグを使ったイベント企画です。

「#イインダヨ」とツイートし、30分以内に公式アカウントから「#グリーンダヨ」と返信されなかったらユーザーの勝ちになります。勝ったユーザーの中から抽選で、毎日100名に淡麗グリーンラベル350ml缶6本パックがプレゼントされる企画です。

この企画の面白いところは、公式アカウントが「鬼」、ユーザーが投稿して「逃げる」ことでTwitterのリプライ機能を「鬼ごっこ」に見立てているところです。通常キャンペーンの多くは、企業からの反応を待つのが多いですが、この企画は反対に、企業から反応がなくても楽しめる企画です。反応がなくともドキドキワクワクできる企画の場合、ユーザーは結果を投稿したがるでしょう。その投稿がまた他のユーザーへの行動へ影響を与へ、UGCの発生を増やす良い企画といえます。

 

【Facebook】SNSキャンペーンの事例②:カルビー株式会社

参考:カルビーFacebook公式アカウント

シリアル食品「フルグラ」のFacebookコメント欄を利用した企画です。

企業公式アカウントのFacebookコメント欄に、合言葉「フルグラ」+フルグラで食べたい味をコメント欄にコメントするだけです。コメントしたユーザーの中から抽選で10名にフルグラ1袋がプレゼントされます。この企画は、ファンからあったらいいなというユニークな味の意見を得られ、企画に参加してもらうことでファンに「フルグラ」への愛着を与えることができます。万人が喜ぶ企画ではなく、ファンが喜び、新たなファンも増やすことができる企画といえます。

⑤ソーシャルリスニング

SNS上で、ユーザーの自然に交わされる声を収集し、分析し、活用する手法がソーシャルリスニングです。消費者目線でマーケティングを行え、アンケートとは違う率直な意見が得られることが特徴です。特に、TwitterやInstagramは匿名での利用なので率直な意見が聞けます。本当に求めていることや感じていることの声・行動がうかがえる投稿から、広告の見直しやターゲットの見直しをすることもできます。自社だけでなく競合他社の声も分析することができ、競合との差別化、強化をはかれるのがメリットといえるでしょう。

これはBtoCだけでなくBtoBでも同じです。クライアント企業の顧客は、SNSを利用しているため、サービスやシステムがうまく機能しているかどうか、本当の声を集めることができるのです。

 

ソーシャルリスニング事例:UCCホールディングス株式会社

参考:「人に言いたくなる」サービスを作るには、「今を知る」口コミが重要なんです。|BuzzSpreader Powered by クチコミ@係長|株式会社ホットリンク

上島珈琲店などを経営するUCCホールディングス株式会社では、「人に言いたくなる」サービスを作るために、ソーシャルリスニングを活用しています。人に言いたくなるサービスを作るためには、「今を知る」必要があるため、SNS上の口コミを集めて分析しています。

お店の状態やスタッフの対応がリアルタイムでわかるのがソーシャルリスニングです。蛍光灯が切れている、空調が切れているなど、スタッフには直接言わないけれど感じている率直な声がきけるのです。接客では発見できなかった声なき声や、新キャンペーンの反応を収集・分析し、目指すサービス実現のために活用しています。

SNSマーケティングを始めるための4つのステップ

これまで各SNSの特性、マーケティング手法を説明してきました。次はSNSマーケティングを実際に自社で行うには、どのような流れで進めていけば良いのかを解説していきます。

「他社でもやっているからとりあえずアカウント作成してみるか」と、なんとなく始めてしまっては成果がでません。これから解説する4つのステップを1つ1つ進めて成果につなげていきましょう。

ステップ1:SNSマーケティングをはじめる目的とターゲットを決める

まずはSNSマーケティングを行う「目的」と「ターゲット」を決めましょう。「何のためにSNSマーケティングを行うのか」「誰に向けてSNSマーケティングを行うのか」この基盤となる2つを明確にします。

目的について例えば、自社のブランディングのためなのか、店舗・イベント・自社サイトなどの集客のためなのか、商品販促を促すためなのかなど、何のためにSNSマーケティングを行いたいのか明確にします。次に、明確にした目的を「誰に」向けて発信するのかターゲットを決めます。年齢・性別・職業・住居・趣味嗜好・悩みなどを細かくペルソナを設定します。「目的」と「ターゲット」があやふやだと、コンテンツや企画を考えたりと戦略を考える上で、

大きくブレが生じますので、しっかりと設定しましょう。

ステップ2:目的とターゲットにあったSNSの選択と手法

目的とターゲットを設定の次は、設定したターゲットに情報を届けて目的を達成するために最適なSNSと手法の選択です。

まずはSNSの選択です。ターゲットとしているユーザーが利用しているSNSを選択しましょう。SNSの特性で解説したように各SNSにより男女比、年齢は異なります。

次に手法の選択です。

下は、目的に合わせたSNS手法の一例です。

 

商品・サービスの認知獲得
企業のブランディング

SNSアカウント運用

商品・サービスの認知拡大
新規顧客獲得

SNS広告
インフルエンサー・アンバサダーマーケティング

UGC発生による話題作り
新規顧客獲得

SNSキャンペーン

 

上記は一例ですが、目的を果たすためにはどの手法が最適かを考え選択していきましょう。

ステップ3:KPIの設定

SNS・手法が選択できたら、最終目的であるKGIと最終目的に必要な重要指標KPIを設定していきましょう。

まずはKGIの設定をしてから、次にKPIの設定です。重要なのは、KGIにつながるKPIを設定することです。例えば、最終目的であるKGIが商品の年間売り上げの10%アップだとすると、KPIはECサイトへのアクセス数などにしましょう。KPIは結果を分析・証明できるように数値で設定し、月1回のペースで達成できるようにしましょう。

ステップ4:SNSマーケティングの運用方法を決める

SNSマーケティングは、専門的な知識や継続する力も必要になります。

円滑に運用できるように事前に体制を整えることが重要です。SNSのリテラシーが高いことはもちろんですが、運用方法のマニュアルを作成しておくのも1つの手です。例えば、「ツイート内容に関する決まり」や「SNS炎上の対処法」を作成することです。1日の投稿数、時間帯、文体、リプライに返信するのか、DMが送られてきた時の対応方法など決めておくと、誰が運用しても、運用と対応の差が生まれにくいです。体制をしっかりと整えてから実施していきましょう。

SNSマーケティングにおいて押さえておく3つのポイント

SNSマーケティングを行う際に、押さえておくと良いポイントを紹介していきます。

①フォロワー数をKPIにしない

SNSマーケティングを行うにあたり、アカウント運用をしていると、どうしてもフォロワー数をKPIにしてしまいがちです。今一度、KGIを確認してみてください。フォロワーを伸ばすことがKGIにつながるでしょうか。フォロワーを伸ばした先のUGC数やインプレッション数やコンバージョン数がKPIではないでしょうか。フォロワーを伸ばすことは手段であり、目的ではありません。

もちろんフォロワー数を伸ばすことが間違っているわけではありません。ただその際に押さえておくべきポイントは、フォロワーの質です。一時的にキャンペーンを行いフォロワーを獲得しただけでは伝えたい情報をシェアしてくれることは考えにくいでしょう。自社のファンであり興味を持ってくれているユーザーをフォロワーに増やすことができれば、伝えたい情報を受け取り、シェア、UGCを発生させてくれる可能性は大いにあります。

②バズるコンテンツ < 長く拡散されるコンテンツ

SNSのコンテンツを考える上で重要なのは、口コミであるUGCが長く発生・拡散するコンテンツが生み出すことです。「あのサービス良かった」「またあの商品買いたい」など、長くUGCが発生・拡散されると、企業や商品・サービスの認知は増え続けます。SNSコンテンツを考えるにあたり、バズるコンテンツや企画をどれだけ生み出せるかと考えがちですが、そのような爆発的なコンテンツや企画を生み出し続けるのは現実ではかなり難しいことです。また、瞬間的な流行はすぐに認知も鎮火してしまいがちです。

③SNS炎上の対処法

SNSを運用していくにあたり、必ず炎上のリスクは伴います。炎上が起きても慌てないことが重要です。まずは何が原因で炎上が起きたのか、原因の分析が必要です。次にユーザー何に不満や怒りを抱いているのかを分析します。そして一番の対処法はその原因に対して謝ることです。炎上が起きてから対応に時間がかかればかかるほど、鎮火に時間がかかってしまい、対応がさらに難しくなります。

迅速に対応するために、炎上が起きてしまった時の対応マニュアルを予め作成しておくと安心でしょう。

まとめ

SNSマーケティングは、認知拡大やイメージの構築だけなく、自社サイト流入への新たな入口、検索エンジンからの指名検索増加など、企業の売り上げに繋がる効果が期待できます。SNSは今後も利用者が増えると考えられ、多くの企業が今後活用するでしょう。SNSマーケティングを行う際には、目的を明確にし、SNSの特性とターゲットにするユーザー層にあった手法の選択が重要です。適切な選択ができていれば、コストを抑えつつ高い費用対効果を得られるマーケティングです。時代や流行の変化によりSNSマーケティングも変化していきますが、解説してきた手法やステップを踏めば、まだSNSマーケティングを取り入れていない企業も始めることができるでしょう。

ぜひSNSマーケティングを取り入れてみてください。

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